大腸内視鏡検査でわかる疾患

ポリープ(拡大内視鏡特殊光画像)
進行大腸がん
潰瘍性大腸炎
  • 大腸がん(早期、進行)
  • 大腸ポリープ(過形成、腺腫、若年性など)
  • 炎症性疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
  • 大腸憩室症
  • 急性腸炎、虚血性腸炎
  • 直腸カルチノイド
  • 直腸潰瘍
  • 大腸脂肪腫
  • 大腸メラノーシス など

以下に当てはまる方は、大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう

  • 排便時に出血がある方
  • 便に血が混ざっている方
  • 検診で便潜血反応が陽性となった方
  • 便秘、下痢、便が細いなどの便通異常のある方
  • 最近急激な体重減少がある方
  • 貧血を指摘された方
  • 過去に大腸ポリープを指摘されたことがある方
  • 血縁者(3親等以内)に大腸がんがいる方
  • 40歳以上の方で大腸内視鏡検査を受けたことがない方

鎮痛剤、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査

当院では大腸検査を行う直前に点滴を留置しておきます。
腸の蠕動をおさえたり、希望があれば検査前に鎮静剤、鎮痛剤を投与し、うとうとした状態で挿入していきます。

目が覚めていればカメラのモニターをいっしょに見ながら観察も可能です。
鎮静剤は少量ですが中には観察したことをあまり覚えていない方も見えるため後日診察室にて詳しく説明します。

大腸内視鏡検査の工夫について

最近の大腸内視鏡検査は、前処置の下剤の選択、検査技術の向上、内視鏡機器の改良、麻酔の使用、CO2による送気など様々な工夫がなされ、検査をよりうけやすい環境となっています。

検査前日のお食事の注意事項と流れ

  • 検査当日に、腸の中を早く綺麗にするため、前日は朝・昼・夕食とも消化の良い物を食べるようにし、以下の表に示す前日に食べてはいけないものはできるだけ控えてください。
    腸の中に消化されない食べ物が残っていると、検査で観察不良となり、せっかく受けて頂く検査が無駄になってしまう可能性があります。
  • 食事の量は、基本的には通常量を食べて頂いて問題ありません。
  • 普段から便秘がちな方や、前回の検査で野菜や種が残っていた方は、検査の2日前から食べてはいけないものをお控えください。
  • お酒は少量なら飲んでも問題ありません。(例:ビール350ml程度、ハイボール・ワインなどグラス2杯程度)

ポリープとは

病理学的に粘膜(上皮細胞)に覆われた管腔臓器に発生する隆起性病変の総称

大腸ポリープの組織型による内視鏡像の違い

過形成
低異型度管状腺腫
高異型度管状腺腫
SSA/P 鋸歯状腺腫
腺腫内癌(粘膜内癌)
粘膜下浸潤癌

大腸腺腫から大腸癌に発育するイメージ

1.Adenoma-carcinoma sequnce (通常の腺腫からの多段階発育)

  1. 低異型度管状腺腫
  2. 高異型度管状腺腫
  3. 腺腫内癌(粘膜内癌)
  4. 進行大腸癌
    ここまでに約5~10年以上かかります

2.Serrated pathway(鋸歯状病変経路)

  1. SSA/P 鋸歯状腺腫
  2. 鋸歯状成分を伴う腺腫内癌
  3. 進行大腸癌
    ここまでに約5~10年以上かかります

3.De novo cancer(正常粘膜からいきなり癌が発生するタイプ)

De novo cancerは、大腸の正常に見える粘膜から、ポリープ(腺腫)などの前癌病変を経ることなく、直接発生するタイプの大腸がんです。

EMR(内視鏡的粘膜切除)

粘膜内腫瘍最大径2cmまでが適応。ポリープのうちに切除することががん発生の予防として重要

  1. スネアによる縫縮切除または焼灼切除(cold polypectomy Hot polypectomy)
  2. 切除断端
  3. クリップ縫縮

代表的な内視鏡治療法

ポリペクトミー

EMR

ESD

当院ではESD治療はおこなっておりません。治療を考慮する場合、総合病院へ紹介させていただきます。

全大腸内視鏡検査(TCS)はどれくらいの間隔で行えばよいか

Japan Polyp Studyの研究結果(2014年5月DDW学会)

対象 40~69歳、TCSで腫瘍性ポリープ摘除した人
検討項目
  1. 次におこなうTCSの至適検査期間
    A;3年後のみ1回TCS
    B;1年後と3年後に2回TCS
  2. 評価対象病変
    ①10mm以上の腺腫、②高度異型度腺腫、③癌
結果
  1. 発見された全腺腫性ポリープ:A vs B = 50.1% vs 37.1%
  2. 評価対象病変:A vs B = 1.7% vs 2.1%

結論

2度のTCSを行えばポリープ摘除後の経過観察は早くとも3年でよい
(見逃し癌やInterval cancerの存在を考慮)

推奨

便潜血陽性 → TCSポリープ摘除 → 1年後TCS → 3年後TCS → 以後3年は空けてよい

大腸内視鏡検査の詳細について(2022年1月1日~同年12月31日 東可児病院 自身施行のみ)

検査数 157件
男女比 男:女=96:61
年齢 平均年齢69.5歳、最高齢96歳、最低齢28歳。
盲腸部までの到達率(CIR) 99.3%…(BCSP目標水準97%以上)(癌または良性狭窄、虚血性腸炎確認例、マーキング例を除く)
盲腸部までの到達時間 平均9.1分(69歳以下8.7分、70歳以上9.5分)
腺腫発見率(ADR) 90例/156例(57.7%)…(BCSP目標水準40%以上)(マーキング例を除く)
癌発見数(率) 14例(9.0%)(マーキング例を除く。早期、進行、転移すべて。)
挿入時疼痛あり 28.9%(前処置なし、下血、虚血例すべて含む)

BCSP:英国大腸癌スクリーニングプログラム、ADR(adenoma detection rate)、CIR(cecal intubation rate)

大腸内視鏡における Quality indicator による評価

2010年の報告でADRが20%未満の施行医は20%以上の施行医に比し、interval cancer発生に対するリスクが10倍以上高かった。
その後の数多くの研究結果に基づき、腺腫発見率(ADR)は大腸内視鏡の大腸癌発生、死亡抑制効果と最も強く相関するindicatorと考えられている。

質の高い大腸内視鏡検査を保つことが進行大腸癌発生や大腸癌死亡の抑制効果につながる